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【考察】『チ。地球の運動について』1巻と最終巻のラファウは同一人物?

【考察】『チ。地球の運動について』1巻と最終巻のラファウは同一人物?

どうして第1巻で死んだはずのラファウが最終巻で登場したの!?

今回はこのような疑問を持っている方に向けて、

・1巻と最終巻のラファウは同一人物か?
・なんのために最終巻にラファウを登場させたのか?

を詳しく考察していきます。

最終巻の展開に混乱してしまった方、ぜひご覧ください!

最終巻までの内容が登場しますので、ネタバレが気になる方はご注意ください。

【チ。考察】1巻と最終巻のラファウは同一人物?

第1巻で服毒自殺をしたはずのラファウが、最終巻でアルベルトの家庭教師として再登場。

久しぶりのラファウだ!なんて思っていたら、まさかのアルベルトの父親を殺害する展開に、混乱した方も多いのではないでしょうか?

顔とか全く同じだし、同一人物ってこと!?

確かに第1巻と最終巻のラファウは、

  • 名前
  • 孤児として生まれたこと

が共通していますが、私は瓜二つの別人だと考えています。

それではなぜ、作者はラファウと瓜二つの別人を登場させた上、アルベルトの父親を殺させたのでしょうか?

【チ。考察】ラファウと瓜二つの別人を登場させた理由

作者が最終巻でラファウと瓜二つの別人を登場させ、アルベルトの父親を殺させた理由は、

人間が持つ知性は
良い面だけでなく悪い面もある
ことを描くため

であると私は考えています。

知性の良い面

第1巻のラファウは、生まれて初めて理屈を超えた知的好奇心を抱き、地動説を証明するために、12歳という若さで自殺をしました。

また、ラファウ以降に登場した人物達も、地動説に魂を揺さぶられ、命を懸けてを繋いでいきました。

作者はこうしたラファウ達の行動を通して、世界の真理に挑み続ける人間の持つ知性の素晴らしさを描いていることが分かります。

特にラファウは「知性の良い面」を象徴するようなキャラクターだよね

知性の悪い面

反対に作者は、知性の素晴らしさだけでなく、知性の危険性についても描いています。

例えばシュミット・ノヴァク・クラボフスキは、人間が持つ知的好奇心の危険性を指摘していました。

①クラボフスキ

あなたが持っている行きすぎた好奇心や、
必要以上に多くを知ろうとする欲望には際限がない。

いずれはそれ自体が目的化して
非道徳的なことまで知ろうとするようになる。

『チ。―地球の運動について―』第4巻25ページ

②シュミット

人は一から何も作り出せない。

その上 人が自然の力を借りて作るものは
馬車、弩、火薬、どれも醜い兵器ばかり。

繰り返すが、私は人の知性を信じていない。

『チ。―地球の運動について―』第7巻63ページ

③ノヴァク

悲劇的だと思わない者がいるか?

知性や技術が進歩した先はあの爆発だ。

文明や理性の名の下では
神の名の下とは比べ物にならない規模の大虐殺が起こせる。

『チ。―地球の運動について―』第8巻51ページ

知性は素晴らしい力だけど、一歩道を間違えたら、危険な力に変わってしまうんだね

そしてこうした知性の危険性を具体的に表現するには、知性に飲まれて暴走する人物を描くのが効果的です。

ここまで考えてみると、ラファウと瓜二つの人物を登場させた理由や、アルベルトの父を殺させた理由が見えてきます。

知性の良い面と悪い面は表裏一体

先ほどお話ししたように、ラファウは人間が持つ知性の素晴らしさを象徴する存在です。

そんなラファウと瓜二つの人物に、世界の美しさを証明するためなら仕方ないという理由で人を殺させたら…?

もしも第1巻のラファウが生きていたら、最終巻のラファウのように、知性に飲まれて暴走する可能性があったかもしれないと、読者に思わせることができますよね。

確かに全然知らない人が暴走するより、ラファウと瓜二つの人物が暴走する方が、知性の危険性をリアルに感じられるかも…

つまり作者はラファウと瓜二つの人物を登場させ、更に暴走させることで、

人間が持つ知性は
良い面だけでなく悪い面もあり、
それらは表裏一体の関係である

ということを表現したかったのです。

それでも知性を信じたい

ちなみに作者は、知性の素晴らしさと危険性を両方描いた上で、それでも人間が持つ知性を信じたいという結論を出しています。

↓知性は「反省」と「自立」を繰り返しながら成長していくと話すドゥラカ

私だってこれから平和が訪れるとは思わない。
次に来るのは大量死の時代かもしれない。

でも、その死の責任は神じゃなくて人が引き受ける。

そうやって苦しみを味わった知性は、
いずれ十分迷うことのできる知性になる。

『チ。―地球の運動について―』第8巻52ページ

↓「疑念」と「信心」を両方抱えた上で、知的好奇心を肯定する道を選んだアルベルト

僕らは足りない。
だから補い合える。
そうじゃなきゃこの世界には挑めない。

疑いながら進んで。
信じながら戻って。

美しさに、煌めきに、逼り詰めてみせます。

『チ。―地球の運動について―』第8巻205ページ

善と悪のどちらか一方だけではなく、両方に触れた上で「信じたい」という結論を出しているところが、『チ。』という作品の魅力的なポイントだと個人的に感じました。

まとめ

今回は『チ。』の第1巻と最終巻に登場するラファウについて考察しました。

ラファウと瓜二つの人物
を登場させた理由


知性の「良い面」と「悪い面」は表裏一体の関係であることを描くため!

『チ。』は読み返せば読み返すほど、作者の伝えたい想いを発見できる漫画だと思います。

ぜひ皆さんもゆっくり読み返して、考察を楽しんでみてくださいね〜!

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